チーム医療

team medical care チーム医療

Team ICT/AST 感染対策チーム

当院のICT(Infection Control Team)とAST(Antimicrobial Stewardship Team)は、多職種で協力し、院内感染の予防と抗菌薬の適正使用に努めています。ICTでは、感染制御に必要な消毒薬や医薬品の薬理作用等の知識を生かして、状況に合った感染対策を提案し、院内感染の発生・拡大の防止に努めています。ASTではこれまでに延べ15000例を超える症例を支援し、感染症患者に適切な医療を提供するよう組織横断的に活動しています。感染症診療に関するエビデンス構築にも力を入れ、当院ICT/ASTの薬剤師が関与した多数の研究論文が国際誌に受理されています。

ICT/AST薬剤師の主な取り組み

ICT:感染制御チーム

  • ICTラウンド
  • 感染対策委員会資料作成
  • 地域連携 相互チェック 抗菌薬関連のコンサルタント 国公立大学感染対策協議会活動 外来感染対策向上加算
  • COVID-19関連 接触者調査 ワクチン接種支援 消毒薬適正使用
  • 医学生・薬学生教育
  • 各種耐性菌アウトブレイク対応
  • 針刺し時の対応(予防内服)

AST:抗菌薬適正使用支援チーム

  • 抗菌薬適正使用のための介入 病院全体への包括的教育 院内抗菌薬使用ガイドラインの改訂 抗菌薬ラウンド 血液培養ラウンド 抗縁膿菌薬長期患者の把握 抗菌薬使用量調査 風邪に対する抗菌薬使用量調査 C.difficile治療薬の適正使用 周術期予防抗菌薬適正化
  • 抗菌薬供給不足への対応
  • 採用抗菌薬の整理
  • COVID-19治療薬 診療フローの作成、発注

ICT/AST関連のラウンド

ICTラウンド

毎週木曜日、医師・看護師・薬剤師・細菌検査技師などの多職種で構成されるチームでラウンドを行っています。全病棟をまんべんなくラウンドし耐性菌の発生状況、薬剤の保管状況、注射薬の調製環境環境、消毒薬の取り扱い、病棟薬剤師への聞き取り調査などを行っています。

血液培養・抗菌薬ラウンド

血液培養ラウンドは毎日平日午後血液培養が陽性になった患者さんを対象に細菌検査室で実施しています。特に抗菌薬適正使用の観点から、抗菌薬の変更、感染症内科へのコンサルト提案などを行っています。併せて、糸状菌や髄液培養陽性例の対応も行っています。
抗菌薬ラウンドは毎日平日午前中抗MRSA薬、カルバペネム系抗菌薬、許可制抗菌薬使用症例を届出書に基づき全例確認しています。2015年から開始し、延べ15000例以上の症例を確認。その成果の一部は論文として発表しています。

Team NST 栄養サポートチーム

NST(NUTRITION SUPPORT TEAM)として、患者さんに合わせた栄養療法を提供するため診療科や職種の垣根を越えて多職種がそれぞれの知識・技能を持ち寄り、多角的な視点から栄養サポートを行っています。当院は多くの診療科を横断的に活動するため様々な症例に関わりますが、その中で薬剤師として静脈栄養の処方設計支援だけでなく、静脈・経腸栄養の適正使用の推進や患者さんに適した医薬品の提案、副作用の防止や対策などの点で患者さんの状態改善に関わっています。

薬剤師の栄養管理への関わり

食事摂取不良の原因となる薬剤

  • 便秘、下痢
  • 眠気
  • 味覚異常
  • 消化管粘膜障害
  • 消化管運動機能低下 etc.

加齢や病態による薬物動態の変化

  • 腎機能低下
  • 肝機能低下

Team PCT 緩和ケアチーム

当院の緩和ケアチームは、がんを含む様々な疾患を抱えている患者さんの身体・精神症状の苦痛緩和を目的に活動しています。緩和ケアチーム担当薬剤師は、平日は毎日、医師・看護師をはじめとする様々な職種と一緒にカンファレンスや回診をおこない、患者さんの苦痛緩和を目的とした薬物療法の検討・提案をおこなっています。年間約1000件(国内トップクラス)にもおよぶ様々な依頼に対応しており、日常診療を通じて幅広い視点を学ぶことができます。

緩和ケアチームにおける薬剤師の活動内容

活動内容

医療用麻薬を含むすべての薬剤の把握と問題点を抽出し、患者さんの症状・薬物間相互作用・臓器能を考慮した最適な薬物治療計画の立案をおこなっています。
医師・看護師など他職種と患者さんの苦痛緩和のための方法について議論しています。また、病棟への回診では患者さんや病棟スタッフとの対話を通じて、苦痛緩和のための最適な薬物療法を検討しています。

Team PUT 褥瘡対策チーム

介入依頼のあった入院患者さんを対象にカンファランスを週1回行っています。皮膚科医師、形成外科医師、看護師、理学療法士、栄養士、薬剤師が参加しています。多くの職種が関わっており、それぞれの職種の視点からの意見が飛び交い、毎回活発な議論がされております。当薬剤部からも毎回1名が参加しており、外用薬だけにとどまらず投与中のすべての薬剤から褥瘡治療に対する処方や薬の使い方の提案をしています。

Hip fracture board 大腿骨骨折ボード

転倒等により大腿骨骨折をきたした高齢患者さんに対して、迅速で適切な治療を導入するためには、複数の診療科や部門が連携することが重要です。大腿骨骨折ボードでは、多職種による病棟回診を実施しています。薬剤師もチームの一員として回診に同行し、骨粗鬆症治療薬の選択、副作用モニタリング、転倒予防、周術期の薬学的管理、ポリファーマシー対策などに積極的に関り、医師への処方提案や他職種への情報提供を行っています。

Medical safety measures center 医療安全対策センター

医療安全対策センター専従の薬剤師は、医師や看護師、兼任メンバーと共にインシデントレポート等から収集した事例の分析や注意喚起の発出、E-ラーニング教材の作成、セミナーの企画、POCKET医療安全マニュアルの作成、部署ラウンドや医療安全周知状況調査の実施、全死亡事例の把握などを行っています。また、薬学的な視点を活かし、薬剤関連のマニュアルの整備や電子カルテシステムの改修提案など、複数の部署と連携し、医療の安全と質向上のための活動をしています。